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ドストエフスキイ研究会便り(22)

 

 

今回の「研究会便り (22)」の内容は以下の通りです。
 








《講演・研究発表の原稿化》

★「ドストエフスキイ研究会便り」では第15回目から、
かつての講演や発表を原稿化し,掲載しています。

★今回は1984年に行われたシンポジウムでの発表記録を掲載します。
シンポジウムは早稲田大学・ロシア文学科の新谷敬三郎先生が呼びかけ人となり、
同大学・文学部で「デカダンスの光芒」というテーマで行われました。
私は
「ボードレールとドストエフスキイ ― ニーチェのデカダンス概念から ―」
と題して問題提起をしました。


発表から既に40年近く。
ここに語られたことは、今の私には思索も表現も未熟に思われ、
全く別の角度から論じたいことが少なくなくありません。
しかし30代半ばの自分が取り組んでいたテーマで、
今なおこの内に脈打ち続けているものがあることも事実であり、

このアイデンティティの確認を出来たことが、
これからの自分の思索の刺激となり、
また若い人たちの参考にもなるのではと考え、再掲載を決めました。

 ★私がこの時「デカダンス」概念を巡って論じたニーチェとドストエフスキイとボードレールは、
現在では若い人たちの関心を引くことが極めて少なくなってしまいました。
五ページに掲載した三人の写真をご覧下さい。
彼らが如何に真摯烈しい思索をした人たちであるか、直ちにお分かりになるでしょう。

間と世界と歴史に関する思索の師として、
我々はまだまだこれら先哲に学び続ける必要があると思います。

 今回はニーチェとドストエフスキイとボードレールに胸を借り
彼らの鋭利この上ない認識力を前に、
我々がどこまで「真直ぐに見たり歩いたりすることの能力」を保ち得ているのか、
我々がどこまで真剣に「デカダンス」に立ち向かっているのか
改めて省みる機会にしたいと思います。

    
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