ドストエフスキイ研究会〈 主宰:芦川進一 〉
ドストエフスキイ研究会〈 主宰:芦川進一 〉
日本の若者がドストエフスキイ世界に親しみ、そこから原理的な思索を試みることは今では殆ど皆無となりました。しかし現実を嘆くよりも、新しいドストエフスキイの時代を準備すべく、当研究会はドストエフスキイのテキストにひたすら向かい、彼が土台としたキリスト教を理解するために聖書テキストも並行して読み進めています。1987年の開始以来、河合塾出身の若者1000人以上が、それぞれの感受性でドストエフスキイと聖書世界を受けとめ、社会に旅立ちました。将来はこの延長線上に、ドストエフスキイ理解を広く人間と世界と歴史の理解へと繋げる学問の場として、単科的な「塾大学」の立ち上げも視野に入れています。
研究成果としては、単行本で『隕ちた「苦艾」の星─ドストエフスキイと福澤諭吉─』(1997)、『「罪と罰」における復活─ドストエフスキイと聖書─』(2007)を河合文化教育研究所から、『ゴルゴタへの道─ドストエフスキイと十人の日本人─』(2011)を新教出版社から刊行し、現在は『カラマーゾフの兄弟』論を準備中です。