高等教育研究会〈 主宰:丹羽健夫 〉
高等教育研究会〈 主宰:丹羽健夫 〉
高等教育のなかでも特に教養教育に視点をあてた研究会である。
教養教育といえば古くは江戸期の藩校における漢籍の素養や、旧制高等学校におけるエリート教育、また第2次大戦後の新制大学の教養部における教養教育などが連想される。さらに現在においても各大学においては一般教養(教育)科目が設置されているのが普通である。いわく異文化理解、健康スポーツ、環境、情報、福祉、生涯学習などなど。
しかし当研究会が疑うのは、いわゆる教養科目を履修すれば人としての教養は身につくのかということである。学生の多くはこれらの科目を単に単位を取るべき対象としてしか見ていないのではないか。いやこれらの科目の必要性を否定しているのではない。
問題は知識だけで人格形成や人間力や志の高さが身につくかという疑問だ。高等教育が対象とする年齢は主に10代の終わりから20代という、虫にたとえるならばちょうど幼虫が成虫に脱皮しようという重要な時期である。しかも今やワンジェネレーションの半数が大学短大に進学する時代である。
高等教育がおかれたこのような状況のなかで新しい教養教育(人間づくり)はどうあるべきか、を模索するのが当研究会の目的である。