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河合ブックレット 42・41・40・39・38・37・2・36・


   ◆新刊のご紹介


河合ブックレット42
夢と一生
渡辺京二
定価 本体1000円+税

近代資本制市民社会の及ばない社会の基層で生きる人々に常に深いまなざしを送り、その端的な存在としての水俣病患者にどこまでも同行する形で、チッソという資本と国家、つまり近代総体を敵に回して闘いぬいた著者は、『逝きし世の面影』などの一連の大作で、江戸近世と明治以降の近代についての通俗的な評価を大きく逆転させた稀有な思想家でもある。
近代の負荷と可能性のともどもを鋭くえぐってきた彼の思想的原点はどこにあるか。本書は、植民地大連での軍国少年の挫折と引き揚げ後の共産党経験の挫折から、著者がどのように思想形成をしていったのかを、その切実な民衆経験を軸に丁寧に語る。
解説・加藤万里「河合文化教育研究所における渡辺京二氏」





河合ブックレット41
3・11以後の科学・技術・社会
野家啓一
定価 本体900円+税

地球環境とそこに生きる生物に取り返しのつかない甚大な被害を及ぼすまでにモンスター化した近代科学。幸福と富を生産する源泉だったはずの科学技術が、なぜ地球温暖化や放射能汚染・自然破壊など世界大に広がる深刻なリスクの元凶となり果てたのか。
Scienceが学問として自立した19世紀にまで遡って近代科学を問い直すとともに、新自由主義的な「市場原理の導入」によってゆがめられ、ついには3・11の福島原発事故をも生み出してしまった現在の科学技術を、私たちが社会的・政治的・倫理的にどのようにコントロールして次世代につなげていくかを真摯に考える。
解説・宮坂和男「専門的科学技術への一般市民の参画」







河合ブックレット40

グローバル資本主義の破局にどう立ち向かうか

――市場から連帯へ
斉藤日出治
定価 本体900円+税


「自由で平等な市場取引」が民主主義と市民社会を地球上に拡大していくという新自由主義的イデオロギーをまきちらして、1パーセントの富裕層の富のために世界中のあらゆるものを搾取してきたグローバル資本主義。これこそが、現在の貧困と格差、新たなテロと戦争など深刻な社会矛盾を引き起こす元凶であることを、コロンブスの「新大陸発見」以来500年にわたる資本主義の運動を跡付けながら、この分野の第一人者である斉藤日出治氏が鋭く説き明かす。グローバル資本主義の暴力とその破局に光をあてるとともに、市場を越えた新たなオルタナティブな連帯の道を考える。
  解説・青木和子「グローバリゼーションと日本の教育」


◎書評:連帯と協働をとりもどす
 「画一化され一元化され」ていくことだけは、否と大きな声でいうべきではないだろうか 植田 隆.pdf




河合ブックレット39
国家神道と戦前・戦後の日本人
──無宗教になる前と後
島薗進
定価 本体800円+税

 戦後廃止されたはずの「国家神道」の延命を鋭く問い直すとともに、人間が本来もつ自然な宗教感情を掬い出す。
「万世一系」の天皇像を基に明治国家によって創作された「国家神道」という独自の宗教イデオロギーは、人びとを近代国家の下の国民へと統合させ、さらに「臣民」として過酷な戦争へと駆り立てていくことになった。その反省から戦後、この国家神道は「神道指令」によって廃されることになったが、しかしそれは現在も天皇家の私的な祭礼として脈々と生きながらえている。
この国の「未来」に抵触するこの日本独自の国家宗教の現在を、宗教学の第一人者である著者が鋭く洗い直すと同時に、国家を離れた人間の自然な宗教感情の存在に新たな光を投げかける。
解説/菅 孝行

 

 

 
 

伊豆高原アートフェスティバルの不思議

河合ブックレット38
伊豆高原アートフェスティバルの不思議
谷川晃一
定価 本体750円+税

1987年の「リゾート法」による怒涛のような自然破壊に抗して、伊豆高原のゴルフ場反対運動から奇しくも生みだされたこのアートフェスティバルの全容と精神を、その生みの親である画家の谷川晃一が、愛をこめて語る。
解説/安藤礼二

 

 

 

 

 

 

 

 

福島原発事故

河合ブックレット37
福島原発事故
──原発を今後どうすべきか
小出裕章
定価 本体900円+税

 

原子力研究の内部から原発廃絶を40年間一貫して訴えてきた著者が、福島第一原発事故の全容を語りつつ、本質的に差別の構造を孕んだ原発問題の軸を根底的にえぐる。講演後の延べ3時間に及ぶ予備校生の問いに丁寧に答えることを通して、あらゆる側面から原発の廃絶の必要性を訴えた渾身の力作。
解説/青木裕司

 

 

 

 


 

 

科学とのつき合い方〈新装版〉

河合ブックレット2
科学とのつき合い方〈新装版〉
高木仁三郎
定価 本体750円+税

 

起こるべくして起きた福島第一原発事故。実験不可能な巨大科学の危険性に警鐘を鳴らし続けて2000年に逝った著者が、巨大科学ではなく「等身大の科学」の必要性を、心を込めて語る。市民科学者・高木仁三郎の意味を科学の内側から考察すると同時に、原発という科学の深刻な特異性を説いた鋭利な新解説を付す。
解説/白鳥紀一
1986年第一刷発行の新装版。

 

 

 

 

 

 

あらたなグローバリゼーションの時代を生きて

河合ブックレット36
新たなグローバリゼーションの時代を生きて
太田昌国
定価 本体750円+税

 

世界中に貧困と格差、環境破壊を生み出し、人々の連帯や相互扶助を自己責任の下に断ち切る現代資本主義の極北としてのグローバリゼーション。それを越えていく道をゲバラを通して考える。
解説/廣瀬 純