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東アジア史を問い直す─「戦後50年」を超えて─

戦後50 年シンポジウム
東アジア史を問い直す─「戦後50年」を超えて─

主催:河合文化教育研究所
日時:1995年9月30日 14:30~
会場:大阪 御堂会館ホール

 戦後50年の節目に、日本を含めた東アジアの歴史的事実を洗い直すことを通して、近代の歴史学そのものがどのようなイデオロギーのもとで成立してきた学問であるのか、を改めて吟味しなおし、それを通して他者としての東アジアともう一度新たに出会おう、という意図をこめて開催されたシンポジウム。近代の初頭、国民国家形成の過程で、日本を含めた東アジアの国々がどのように国家の成立の物語を「歴史」のなかに編み込んでいったかということを解明し、そうした近代国家のイデオロギーから歴史を解き放つことがいかにして可能かを考えながら、主権国家の終焉が語られ始めたいま、真の歴史認識の方法論をもう一度問い直すという、近代の歴史学そのものの在り方をメタレベルから読み直したスリリングなシンポジウムである。広開土王碑や遣唐使などの近代国家が生み出した古代の歴史の「物語」をめぐって、また単線的進歩史観の是非や文化の普遍性の存否をめぐって、フロアも含めて活発な討論が展開された。またその延長線上で東アジア共通の歴史教科書作成の提案もなされ、実り多いシンポジウムであった。

■ PROGRAM問い直す
〔 基調報告 〕(14:30~16:00)
李 成市「 古代史にみる国民国家の物語」
溝口雄三「 さようなら近代」

〔 パネルディスカッション 〕(16:00~18:30)
司会:谷川道雄

パネリスト:
溝口雄三
李 成市
B・バートン
孫 歌

■ PROFILE

谷川道雄
龍谷大学文学部教授:京都大学名誉教授・河合文化教育研究所主任研究員。
著書:『隋唐帝国形成史論』『戦後日本の中国史論争』他
李 成市
早稲田大学文学部助教授
主論文:「渤海史をめぐる民族と国家」「表象としての広開土王碑文」他

溝口雄三
大東文化大学文学部教授、東京大学名誉教授
著書:『方法としての中国』『中国の公と私』他

ブルース・バートン
桜美林大学国際学部助教授・同大学国際交流センター長

孫歌
中国社会科学院文学研究所比較文学研究室助理研究員