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アジアの歴史と近代 第1回~第3回

日中共同学術討論会 アジアの歴史と近代 第1回~第3回

 河合文化教育研究所と北京大学歴史学部とは、1990年代初めから種々の学術交流事業を20年にわたって行ってきた。両者の共同事業の成果の一つとして『日本学者研究中国史論著選訳』全10巻(中華書局)も刊行されている。これは、日本における明治以来の中国史研究の膨大な成果を中国語訳して中国で出版したものであるが、中国の歴史研究に多大な寄与をなしたということで日中両学界から大きな賞賛を博した。2002年からは、「アジアの歴史と近代」を統一テーマとして、北京、京都、名古屋、石河子、フフホトなどで、河合文化教育研究所と北京大学を中心に石河子大学や、内モンゴル大学、内モンゴル師範大学などの参加も得て、第1回から第9回までほぼ毎年シンポジウムを開催してきている。この学術交流の内容については、各回の日中研究者による発表論文が『研究論集』第1集から第9集までに収められている。
 日中関係は、靖国参拝問題、尖閣諸島問題など日中両国間の近代史に根ざすさまざまな政治問題に晒され続けている。それだけにいっそう日中両国を含むアジアの近代とその歴史を共同研究の対象として地道に議論を重ねてきたこの学術交流の意義は大きい。


第1回
■ PROGRAM日中第1回01
主催:河合文化教育研究所 北京大学歴史学系
日時:2002 年3 月23 日・24 日  会場:北京大学歴史学系

〔研究発表および討論〕


谷川道雄(河合文化教育研究所主任研究員・京都大学名誉教授)
「中国社会の歴史的発展と近代化─日中比較論の検討─」
林 承節(北京大学教授)「中国農業近代化についてのいくつかの考察」


閻 歩克(北京大学教授)「秦漢魏晋南北朝官位制の変遷」
山田伸吾(河合文化教育研究所研究員)「日本の中学校歴史教科書における『近代』の扱い方について─アジアの『近代』の再検討に向けて─」
王 小甫(北京大学教授)「白江口の闘いに関する歴史的地名の考証」


八箇亮仁(河合文化教育研究所研究員)「全国水平社創立の背景」
王 新生(北京大学教授)「日本の歴史過程における断絶と連続─戦後初期の改革と『逆コース』を論ず─」
堀江雅明(河合文化教育研究所研究員)「『ノモンハン事件』とモンゴル」

〔総括討論〕 司会:谷川道雄

 


第2回
■ PROGRAM日中2回01
主催:河合文化教育研究所 北京大学歴史学系
日時:2003 年3 月21 日・22 日  会場:北京大学歴史学系


〔研究発表および討論〕
Ⅰ                               谷川道雄(河合文化教育研究所主任研究員・京都大学名誉教授)
「内藤湖南の唐宋変革論とその継承」
榮 新江(北京大学教授)「唐朝における宗教状況の転換─安史の乱を境として─」


閻 歩克(北京大学教授)「張家山漢簡『二年律令』中の『宦皇帝』を論ず」
山田伸吾(河合文化教育研究所研究員)「内藤湖南『近世文学史論』(江戸時代学術概論)の意義─日本における近代人文科学成立の一例─」
王 小甫(北京大学教授)「靺鞨、女真逓興術論─渤海国を中心として─」


金 瑛二(河合文化教育研究所研究員)「古代東アジアにおける人的交流について─百済王権を中心に─」
蒋 非非(北京大学助教授)「海を越える黄砂の発源地を尋ねて─漢代居延地区の自然環境とその開発を探る─」

Ⅳ                                                                           河上 洋(河合文化教育研究所研究員)「『渤海人』の民族意識について」
宋 成有(北京大学教授)「日本の近代化過程における日本的特徴の研究─江戸時代の二重・二元政治構造とその歴史的影響─」
森本英之(河合文化教育研究所研究員)「公害は生産優位の副産物であるという考えについて」

〔総括討論〕 司会:王 曉秋(北京大学教授)

 

 

第3回
■ PROGRAM日中3回01
主催:河合文化教育研究所 北京大学歴史学系
日時:2004 年8 月29 日  会場:河合塾京都校

〔特別講演〕
牛 大勇(北京大学教授・歴史学系主任)「1989.1992年ブッシュ(シニア)大統領任期中の中米関係に対する中国知識人の反応─中華アメリカ学会を中心視点として─」

〔研究発表及び討論〕
Ⅰ                               閻 歩克(北京大学教授)「郷里・官場・士林─漢晋士族の発展についての若干の断想─」
谷川道雄(河合文化教育研究所主任研究員・京都大学名誉教授) 「六朝貴族における人格と身体」
蒋 非非(北京大学助教授)「愛のための闘い─漢と匈奴との戦争と良賎身分制─」

Ⅱ                                                                            河上 洋(河合文化教育研究所研究員)「東北アジア諸民族の民族的系譜について─粛慎から渤海へ─」
劉 浦江(北京大学助教授)「『遼史』国語解から『欽定遼史語解』まで─契丹言語資料の源流─」
八箇亮仁(河合文化教育研究所研究員)「江戸時代の通俗道徳をとらえ直す─石門心学を通して─」

Ⅲ                                                                            高 岱(北京大学助教授・歴史学系副主任)「第一次世界大戦の〈世界性〉の問題について」
大谷敏夫(河合文化教育研究所研究員・鹿児島大学名誉教授)「近代日中学術思想を比較して─経世学と法学・政治・経済学─」

〔総括討論〕 牛 大勇・谷川道雄