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地域言語研究会〈 主宰:小森清久 〉

地域言語研究会〈 主宰:小森清久 〉

 地域言語を考える場合、世界言語と相対化させながら考察する必要があります。世界言語の出現はそれぞれの地域での少数派言語を消滅の危機に追いやり、最終的には広範囲にわたる言語の消滅をもたらす危惧さえあります。逆に、世界言語の出現により地域言語に焦点があてられ、そのことで言語の消滅が遅くなり、食い止められている例もあります。言語の消滅は、少数民族がより優勢な社会の中に吸収され、社会的慣習と共にその言語を採り入れたことで引き起こされてきました。このような状況は現在も続いていて、加速さえしています。
 2010年に入り、インド領アンダマン諸島で先住民が話していた2つの言語の最後の話者が相次いで亡くなり、両言語が消滅しました。言語の多様性が縮小されることは、生物の多様性の縮小と同じメカニズムが働いていると考えられています。
 本研究会では、地域言語が抱える諸問題、とりわけ消滅の危機に瀕している言語に関して考察を深めることを狙いとし、第二言語習得の可能性とその限界についても考えてみたいと思っています。