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文化のなかの数学  付・思い出の倉田令二朗

文化のなかの数学文化のなかの数学
付・思い出の倉田令二朗
齋藤正彦 著
発行 河合文化教育研究所
発売 (株)河合出版
年月刊行
A5判 1200円+税


 

目次

はじめに

第1章 数式をどうかき、どうよむか
数式をどうよむか/英語ではどうか/日本語の場合/数学と文学/近代数学へ/関数としての演算/述語としての等号・不等号/述語の位置/逆ポーランド記法/逆ポーランド記法の効用/まとめ

第2章 おそるべきねずみ算
自然数の認識/四則演算/四則演算の三法則/累乗と指数法則/あけみちゃんのお年玉/累乗の大きさ/マルサスの人口論/細菌の分裂/ねずみ算/曽呂利新左衛門

第3章 数詞の体系
はじめに/古代日本語の数詞/十進法と指と数/10より大きい数/アランブラック語の数詞/中国語と日本語の数詞/現代日本語の数詞体系/数詞の形式的記述法/nケタの数の帰納的定義/英語の数詞/フランス語の数詞/非常に大きな数/英語の場合/万進法と千進法

第4章 数領域の拡大と対数の概念
算用数字と位どり記数法/0という記号/0という数/中国では/自然数から有理数へ/√2という数/背理法/√2は無理数である/有理数と無理数/累乗の指数の拡大/対数の概念/対数表による計算/放射性物質の崩壊/放射性炭素14Cによる年代推定

第5章 音階の数理
オクターブとは何か/楽器について/ピタゴラスの発見/ドレミファについて/平均律/人はどこまで近い音を聴きわけられるか/簡単な分数とは何か/純正律/純正律の根拠/純正律の欠点/平均律と純正律の比較/ピタゴラス音階の構成/ピタゴラス音階の特徴/平均律とピタゴラス音階/西洋以外の音階理論/12等分の弱い普遍性/ふたたびオクターブについて/対数をとってみたら

〈付録〉回想の倉田令二朗

 


著書の内容

普遍的・客観的学問と考えられがちな数学は、ギリシア─イスラム─ヨーロッパの文化系列が作ったものに過ぎない。言語の恣意性に裏打ちされた数式の必然性・絶対性のなさの証明をもとに、特定の文化に根ざしそこに規定された数学の姿を思いがけない形で明かす。
巻末に、著者の生涯の親友であり当研究所の主任研究員であった故・倉田令二朗氏への追悼文を付す。