〈かたり〉と〈作り〉──臨床哲学の諸相
〈かたり〉と〈作り〉──臨床哲学の諸相
木村敏・坂部恵 監修
発行 河合文化教育研究所
発売 (株)河合出版
2009年1月刊行
A5版 3900円+税
〔監修〕
木村 敏
坂部 恵
〔執筆〕
木村 敏
浜渦辰二
藤山直樹
大橋良介
渡辺哲夫
河本英夫
北山 修
坂部恵
津田 均
内海 健
〔対談〕
木村 敏
坂部 恵
目次
まえがき/木村敏
河合臨床哲学シンポジウム・プログラム趣意書
対談・〈作り〉と〈かたり〉/木村 敏・坂部 恵
Ⅰ〈かたり〉の虚と実
物語としての生活史/木村 敏
ナラティヴとパークペクティヴ──「〈かたり〉の虚と実」をめぐって/ 浜渦辰二
精神分析における語りの虚実──本物の語りとは何か/藤山直樹
「聞くこと」の虚と実/大橋良介
Ⅱ〈作ること〉と〈作りごと〉
精神病理学を作ることの原理的な困難について/渡辺哲夫
自己組織プロセスとしての制作/河本英夫
過剰に「作ること」をめぐって──精神分析における劇的観点から/北山 修
ポイエーシスとプラーグマ──ふり・かたり・つき/坂部 恵
精神病理学的思考の振幅/津田 均
デイヴイッド・ヒュームの憂鬱──-因果の制作/内海 健
著書の内容
他者に不可避に開かれる精神病理学と、自己の始原に遡ろうとする哲学はどこで出会うことができるのか。大きな生命(ゾーエー)から個的生命(ビオス)=人間への分節化の過程に差し挟まれた〈ことば〉と〈制作〉という人間の根源的運動。この〈かたり〉と〈作り〉の二つの運動が、人間の営みの過程で必然的に孕まざるを得ない虚・実の構造を「生命論的差異」にまで遡って開く。