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十八世紀における他者のイメージ

  

十八世紀における他者のイメージ

十八世紀における他者のイメージ──アジアの側から、そしてヨーロッパの側から
中川久定 J.シュローバハ 編
発行 河合文化教育研究所
発売 (株)河合出版
2006年3月刊行
A5版 6800円+税

 


目次

フランス語版への序文/中川久定、ヨヘン・シュローバハ(増田真 訳)
日本語版への序文/中川久定

 

◇ 第Ⅰ部 十八世紀世界のなかのヨーロッパ、中国および日本
一、十八世紀におけるヨーロツパと極東の間の文化の伝達者について──方法の問題──/ジャック.プルースト(増田真 訳)
二、ヴォルテールから得 られる教訓──十八世紀研究の真の普遍性に向けて──/ヨヘン.シュローバハ(増田真 訳)
三、東洋的残酷さについて/ミシェル・ドロン(辻部大介 訳)
四、日本の鎖国を前にしたケンペル、フランスの哲学者たち、およびカント──十八世紀ヨーロッ八思想における「摂理」と「商業の精神」──
五、現象としての「啓蒙」──比較論的試論──/張芝●(佐藤淳二 訳)
六、開かれた精神あるいは他者性の活かし方──二十一世紀に向けて(十八世紀研究における比較論的アプローチ考)──/孟 華(佐藤淳二訳)
七、造園術と十八世紀中国ーヨーロッパ間の文化交流/高 強(桑瀬章二郎 訳)
八、中国文化西洋起源説と西洋文化中国起源説──一フィギュアリストと清朝の学者たち──/堀池信夫
九、鎖国体制と文学/日野龍夫
十一、十八世紀日本の身分的中間層/朝尾直弘──/井田清子
十二、山片蟠桃における「封建」、「大知」ならびに杜会の創発/寺田元一
十三、中江兆民の仏学塾における『エミール』教育の実践/井田進也

 

◇ 第Ⅱ部 文明の拡散と受容 東方への眼差し、東方からの眼差し
一、『両インド史』の十八世紀ロシアにおける翻訳──『中国人についての政治的考察』を例として──/セルゲイ・カルプ(王寺賢太 訳)
二、批評家と歴史家としての翻訳者ハンス──『両インド史』ドイツ語翻訳における中国と日本の表象について──/ユルゲン・リューゼブリンク(王寺賢太 訳)
三、十八世紀のフランスとドイツの百科事典類における日本のイメージ/ヨヘン・シュローバハ(小関武史 訳)
一四、複数の顔を持つ孔子──啓蒙の時代のヨー□ツパにおいて──/マリアン・スクシペク(小関武史 訳)
五、西洋の鏡としての東洋/ウタ・ヤンセンス(原田範行 訳)
六、イエナチツァ・ヴァカレスク──あるルーマニア人の見た束洋──/ミハエラ・ムドゥレ(定森亮  訳)
七、リンネの旅行者たち──力ール・ぺーター・ツンベルクと日本──/トマス・アンフェールト(篠田真理子 訳)
八、アイルランドの劇作家アーサー・マーフィーと『中国の孤児』/サイモン・デイヴイス(原田範行 訳)
九、東洋と西洋の間に位置するブルガリア人──啓蒙の歴史叙述の観点──/ライア・ザイモーヴァ(桑瀬章二郎 田村健 訳)
十、土井有隣の屏風絵について──モデルを求めて──/中川久定(多賀茂 訳)
十一、十八世紀東欧より見た東アジア/トート・イシュトヴァーン・ジェルジ(定森 亮 訳)

 

著書の内容

アジアの側から、そしてヨーロッパの側から18世紀という不均質で緩やかな時空間にあって、互いにきわめて遠い存在でしかなかったアジアとヨーロッパは、どのように自らの他者を見出したのか。東西の異文化の熱い視線の交錯に初めて多面的に光をあてることを通して、18世紀の世界空間を新たな視覚から考察する。