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現代中国農民運動の意義──前近代史からの考察──

シンポジウム
現代中国農民運動の意義──前近代史からの考察──

主催:
河合文化教育研究所
内藤湖南研究会・東アジアの歴史と現代研究会 共同企画

日時:2012年7月22日 13:00~18:00
会場:龍谷大学大宮キャンパス清和館3階ホール

 現代中国はどこへ向かって行くのか。その運命を左右するのは人口の半ばを占める農民だと言っても過言ではない。改革開放政策の開始以来、政府主導の市場経済の犠牲となって来た彼らは、その利益、権利を守るためにさまざまの抵抗運動を展開していて、今や重大な政治問題にさえなっている。本研究所は数年来この問題に関心を向け、2010年王国林著『失地農民調査』(訳書名『土地を奪われゆく農民たち』)を邦訳刊行し、続いて中国学界における農民運動の研究情況を紹介してきた(『研究論集』第8集、第9集)。この実績に立って、現下の農民運動の意義を二千数百年の歴史に遡って解明する研究プロジェクトを構想し、それをシンポジウムとして具体化した。発表者・司会・総括者はすべて本研究所傘下の『内藤湖南研究会』・『東アジアの歴史と現代研究会』のメンバーであり(各大学の名誉教授・教授・高校教諭・塾講師)、参加者は80名に上って、活発な討論が行なわれた。発表の内容は各自補正の上、『研究論集』第10集に掲載の予定である。とかく特定の時代や領域に限定されがちなわが国の中国史学界の中にあって、この企画は「過去と現在との対話」(E・H・カー)を大胆に試みたもので、生きた研究者のあり方を模索する本研究所の理念を反映している。

■ PROGRAM
進行:中田和宏・田村俊郎(河合文化教育研究所研究員)

〔開会の辞〕 八箇亮仁(河合文化教育研究所研究員)

谷川道雄(京都大学名誉教授)
「現代中国農民運動の特質──趣旨説明を兼ねて」
高木智見(山口大学教授)
「古代中国における国家と民の関係」
馬 彪(山口大学教授)
「秦漢民間社会の変遷とその時代区分的な意義──父老から豪族へ」
葭森健介(徳島大学教授)
「均田農民の『分』──魏晋南北朝隋唐における農民の社会的生存権について」

司会・総括:福原啓郎(京都外国語大学教授)
小林義廣(東海大学教授)
「宋代地方官と民衆──真德秀を中心として」
小野 泰(河合文化教育研究所研究員)
「13~14世紀中国の郷村社会──地域社会の指導者と農民の視点から」

司会・総括:河上 洋(河合文化教育研究所研究員)
大谷敏夫(鹿児島大学名誉教授)
「清末江南基層社会と包世臣の農政観」
吉尾 寛(高知大学教授)
「中国の農民運動──前近代から現代へ」

司会・総括:柴田幹夫(新潟大学准教授)

〔全体討論〕 司会:谷口規矩雄(大阪大学名誉教授)
〔閉会の辞〕 谷川道雄(河合文化教育研究所主任研究員)