HOME  >  文教研ぷらす  >  グレートジャーニー ユーラシア大陸は平らだった-ベーリング海峡からアフリカ人類発祥の地のアフリカまで-  >  15.グレートジャーニー完結。タンザニア ラエトリ遺跡

15.グレートジャーニー完結。タンザニア ラエトリ遺跡

 

 いきなりゴールです。
ゴールはアフリカのタンザニア。
なぜここをゴールに選んだかとと言いますと、足跡が残っているんです、
人類最古の足跡化石があるんです。

ただし、風化しないように封印されて上に石が積み重なっています。
その足跡は、確実に2本足で歩いています。
そして、一つが大きい足跡で2つが小さな足跡。
しかも、歩幅が合っている。

つまり、大きい足跡が小さい足跡に揃えなければならないというわけです。
なおかつ距離がどういう距離かといいますと、すごく近い。
手を繋いでる距離じゃなくて、肩を組んでるとか腕を組んでる距離で2つの足跡がある。
ということは、いろんな解釈ができると思うんですが、

一番いい解釈、私がとった解釈は、お父さんとお母さんが腕を組んで歩いている。
その後ろに子供がお父さんの足跡の上に重ねて歩いている。
要するに家族が歩いていると思ったんです。
 

サルと人間を分ける3つの要素。
それは直立二足歩行をすること、
要するに二本足でまっすぐ立ってスタスタと歩くということがひとつ。

それから家族を作るということ。

それともうひとつが言葉なんです。
でも言葉というのは化石として残らない。
しかし、直立二足歩行と家族であるということの証拠がここには残っている。
ここがそれが残っている世界で一番古い場所というわけです。

 そこを私のゴールに、もう出発する時から決めていましたが、
ベーリング海峡を渡る時期になったら、
頼めばこの石積みをどけてくれるんじゃないかと思ったら、ダメ。
仕方がないので、前日にオルドバイ渓谷の博物館にこのレプリカがあるので、
それを目に焼き付けてきたんです。

 ここをゴールに決めた理由はそういうことですが、
とにかく、非常に気持ちのいいゴールでした。
やっぱり動物の中をかき分けながら自転車で走れたということが気持ちよかった。

ゴールの前日、サバンナの草原を走る。キリン群れがいた。目の前で見るとやはり大きい。ゆったり歩くが歩幅が大きいため移動速度は速い。まるでメルヘンの世界にいるようで、そのまま走り続けたかった


最後の15キロは歩いたんですけど、やっぱり5台の自転車を乗り継いで、
5万キロを一緒に旅した自転車だったので、
一緒に連れていってあげたいということで自転車を押して来たんです。

2002年2月10日。ラエトリ足跡遺跡に自転車を押して歩いて着いた。時間は午前9時29分。傍らの自転車は一緒にチベット、シルクロードを走り抜け、およそ2万キロを付き合ってくれた自転車だ。ゴールも共にしたかった

そんな気持ちのいいゴールを4ヶ月前にやって帰って来ました。

     案内をしてくれたマサイ族のサイモンさんとゴールのラエトリにて

 以上です。

 

 グレートジャーニーでは「旅は人力のみ」というルールを作った

 グレートジャーニーは奇跡の旅だった

  イスラムの人たちの優しさ

4 「足るを知る」アファール人

5 人間は進化はしていても進歩はしていない

 自然に優しいとはー3つに集約

7 トナカイ橇で旅をしたかった

8 「優しさ」さえあれば、どうにでもなる

9  当たり前のことがいかに大切か

10 「海のような人」

11 チベット。欲望、祈り、巡礼

12 中国のチベット以上にチベットの文化を残しているネパールの北ドルポ

13 大人に媚びない。良く働く子どもたち 

14 死の決め方とチベット医学

15 グレートジャーニー完結。タンザニア ラエトリ遺跡


グレートジャーニー完結記念講演を終えて.pdf